平成二十三年 新春ご挨拶 副会長 玉川覚祥

tamagawa.jpg新年明けましておめでとうございます。

皆様には恙なく初春をお迎えのこととお慶び申し上げます。
旧年中は本会のためにご支援ご協力を賜わり真にありがとうございました。
厚く御礼申し上げます。

世界連邦運動は第二次世界大戦後、決して第三次世界大戦を起こしてはいけないという決意の下、核兵器廃絶と恒久平和の確立を目指し進められました。特にラッセル・アインシュタイン宣言とパグウォッシュ会議が大きな力となり、より具体的な形となりました。日本では昭和23年「世界連邦建設同盟」が最初に結成されましたが、後昭和38年本会が結成され、ついで昭和42年国内各宗教が合同し「世界連邦日本宗教委員会」が結成されました。特に葉上照澄師のご活躍とご貢献は今なお私達の記憶に新しいことです。

さて、1989年マルタでの米国のブッシュ大統領とソ連のゴルバチョフ書記長の首脳会談合意により東西冷戦構造が終結いたしました。
私達はこれにより世界にようやく平和が齎されるように一時思いましたが、1990年湾岸戦争の勃発により、その夢は砕かれました。
その後の世界は、ご存知のように、イラク、アフガニスタン等と惨憺たる有様で、世界平和が遠のくばかりであります。

私達日本の仏教徒は世界連邦運動の原点に立ち戻り、先師方の築いてきた運動の成果を継承し、世界連邦の実現に努力したいと思います。特に仏教は多様性の許容及び統合を特色としている宗教です。先ずは各国仏教徒間との相互交流を通じ、連帯を構築し、更に、世界諸宗教間の仲を取り持ち、対話と相互理解の推進にイニシアチブを取ることができると思います。
聖徳太子の説かれた「和」の精神をもって、皆さま方のご指導ご鞭撻を仰ぎ、今後の活動に邁進したいと存じます。
蕪辞ではございますが年頭のご挨拶まで申し上げます。

合掌
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