国連ウェーサクの日祝賀式典 第10回・メッセージ

11-01.jpg 私達仏教徒は、今ここに第10回国連ウェーサクの日を迎え、祝賀式典を催すべく国連会議場に参集し、至福の時を教示しておりますことを心より感謝申し上げます。
また此の度は、タイ国の仏教僧団の最高位であられますサムデット・プラ・ニャナサンバラ大僧正100歳の誕生日をお迎えするという重ねての慶事に対しまして、心よりお祝い申し上げます。 

世界に不滅の真理を顕現されましたお釈迦様の神聖なる生誕・成道・涅槃の3つをお祝いするウェーサクの日が、1999年の国連総会に於いて国連の日と認められましたことは、我々仏教徒にとって大いなる喜びであり、誇りであり、将来に向かっての仏教教育への自信と推進をゆるぎないものと確信させてくれております。 

釈尊は、此の世に存在する事物・現象・総べて眞實ならざるはなし(諸法実相)と述べられ、現実肯定の真理を悟られ、大覚者となられました。 
世界は今以て人為の争いが続き、人間の自然を無視した行為により環境の変化や人間の力を以ては如何ともしがたい自然の猛威に直面しつつも、たゆまざる努力を以て生存維持発展の道を進んでおります。
 自然を愛し、自然と共に生きることを認識しつつ人間の存在を謙虚に受け止めることを教え訓された釈尊の精神の輝きは、これから先の世界の教えの場を益々光りあらしめるものとならしめましょう。

 第10回を迎えたウェーサク祝賀式の開催に当たり、タイ国政府、マハチュラロンコーンビジャウィタヤライ大学の御尽力により盛大に執り行われますことを衷心より感謝し、御礼申し上げ、祝辞とさせて頂きます。

 2013年5月21日
叡南覚範 
世界連邦日本仏教徒協議会会長 
天台宗 毘沙門堂門跡 大僧正